利賀芸術公園の紹介TOGA ART
PARK

富山県利賀芸術公園

 利賀村は1973年、5棟の合掌造りを百瀬川流域に集め、「利賀合掌文化村」と名付けました。

 1976年に、演出家・鈴木忠志が率いる早稲田小劇場(現・劇団SCOT:Suzuki Company of Toga)がここに拠点を移し、合掌造りの民家を改造して「利賀山房」と名付け、演劇活動を始めました。全国各地から多くの観客が訪れただけでなく、日本人の知恵が残る山村での芸術活動として、各界から注目を集めるようになりました。

 1982年には、ギリシア風の野外劇場(磯崎新設計)を新設、鈴木忠志はそれまでの国際的なネットワークを生かして、日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催しました。また、1983年には、鈴木が創出した俳優訓練法スズキ・トレーニング・メソッドを教える「利賀国際演劇夏季大学」をスタートさせました。

 1994年には、施設は富山県に移管され、合掌文化村は、富山県立の利賀芸術公園となりました。さらにそれ以後、富山県、南砺市(利賀村は2004年の市町村合併により南砺市となりました)によって、劇場、稽古場、宿舎などが次々と整備され、現在、周辺の「利賀大山房」、「リフトシアター」なども合せると、7つの劇場、稽古場、200名以上が宿泊できる宿舎などを擁する、舞台芸術の一大拠点となっています。

 毎年夏に行われる「SCOTサマー・シーズン」、多国籍の俳優によって演じられる舞台、世界中の俳優のためのスズキ・トレーニング・メソッド教室、アジア諸国の演出家による「アジア演出家フェスティバル」、日本の若手演劇人を対象とした「利賀演劇人コンクール」、「高校生夏期演劇講習」などの人材育成事業が、年間を通じて展開されています。